ブックタイトル品質管理365日・第6集--短納期・低コスト・デジタル時代の印刷トラブル対策事例集::富士精版印刷株式会社

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品質管理365日・第6集--短納期・低コスト・デジタル時代の印刷トラブル対策事例集::富士精版印刷株式会社

印刷営業のトラブル事例■透明効果の出力トラブルを見逃す印刷営業のトラブル事例9【キーワード】PDF PDF/X-4 PDF/X-1a透明効果RIP仮想の校正あおり検版■事故内容お客様のカンプでは出力されている人物写真2点が消えていた。エンドユーザーまで納品されて発見される。■処理内容全数を刷り替えて納品した。しかし納期が大きく遅れる。■損失金額1,946,017円■原因同業者のお客様の入稿データに、面付けのミスが発見されたのが発端である。本来なら再入稿だが、納期までの日程が厳しく、当社で面付けをやり直し、インクジェットで印刷原稿を再出力した。この際、人物2名が消えてしまったものである。これはPDFのバージョン違いが原因であった。お客様の入稿データは最新版のPDF/X-4だったが、当社はPDF/X-1aで進めた。最新版の前者は画像の透明効果(人物を半調にして、背景を透過させるなどの視覚効果)をサポートしているが、後者はサポートしていない。この結果、透明効果を用いた画像に出力エラーが生じたものである。CTP入稿には、入稿データの形式やバージョンを記入したCTP下版作業指示書を添付することがルールである。しかしこのケースでは、守られていなかった。通常はCTP作業者が、カンプとのあおり検版(パタパタ・ペラペラ)を行うが、営業だけのチェックになった。カンプには、当然ながらこの消えた人物も入っている。営業は面付けのミスに気を取られ、絵柄の変化まで注意が行き届かなかった。結局、当社で出力したインクジェット校正を印刷原稿・加工原稿として回したたため、誰も気づかずにエンドユーザーまで流出した。■再発防止策出力トラブルを未然に防ぐためには、お客様や制作会社にも、当社の出力環境に適合したデータ作成と入稿形態にご協力いただくことが必要である。入稿に際しては、営業は「CTP下版指示書」をデータに添付しなければならない。CTP作業者も、この指示書なくして作業をしてはならない。デジタルワークフローでは、CTP用のRIPをかけるまでは、「仮想の校正」にすぎない。しかし製版入稿前のカラーカンプ(PDF含む)での校了となり、社内のインクジェット出力が印刷原稿になるケースも増えている。お客様が最終OKを出したカンプと印刷原稿との検版は絶対に必要である。営業とオペレーターの2名でダブルチェックを行わなければならない。Total Quality Control 365days 029