ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第13巻

ページ
10/40

このページは 国際印刷大学校研究報告 第13巻 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

国際印刷大学校研究報告 第13巻

8■国際印刷大学校研究報告第13巻(2013)G=G(P 1?c+cGSC()1?m+mGSM()1?y+yGSY()1?k+kGSK)?F(G m+k?mk()1?m?k+mk)でcの良好な近似値は求まっており、GSYの反射率は1に近くyの値が変動しても、ほとんど変わらない。したがって上記近似値yを用いて、mの良好な近似値を得ることができる。以上で良好なcとmが求まったので、この値を用いてB=B(P 1?c+cBSC()1?m+mBSM()1?y+yBSY()1?k+kBSK)?F(B y+k?yk()1?y?k+yk)よりyの良好な値を求めることができる。これらのc, m, yを近似解と見なしてこの工程を何回か繰り返すことにより、より良い解を得ることができる。4.結言デジタルカメラ等からの画像データを加工し、c, m, y, kの網点ファイルを作り上げ、標準と考えている印刷機、インキ、紙でカラ―パッチを印刷し、その濃度測定値から必要な特性値を算出すれば、網点ファイル値から再現したいR, G, Bの濃度または反射率を算出することが出来る。これはCMYKからRGBへの変換である。そのRGBの値を任意の印刷機、インキ、紙に対して再現出来るようなC, M, Y, Kの網点面積比の組みを求めてやればよい。それはRGBからCMYKへの変換である。これらの変換を行う二種類のソフトが作成してあり、画素ごとに計算するようにつくられている。現在一般に使われているICCプロファイルは主としてカラ―プリンターやテレビ等のカラ―マネージメント用に製作されたものだと思われる。印刷では、かなり膨大なカラ―パッチの測定値を必要とし、印刷機やインキや紙が変わった時すぐにプロファイルを作成することは困難である。上記の方法は簡単なパッチからの値を使うだけで簡単にカラ―マネージメントが可能である。従来製版は技能であり理論があるわけではないと思われていたが、RGBからCMYKへの変換で、従来の製版方法を数式化し、墨入れ、マスキング、ドットゲインの数式化、紙の反射率、CMYKのベタ濃度の使用等により、カラ―画像の再現原理をここに示すことができた。この変換は数式を解いていくため、ソフト中で例えばルート中の値がマイナスになったりして解けない場合が生じる。それは、その印刷機、インキ、紙では再現できない色を表しており、その場合マイナスの値を0とする等、“もし何々ならば、どこに飛べ”と記述してある所のデータの色を表示させることによって、この条件では正確には再現できない色を探し出すことが出来る。また、実際の工程を数式化してあるため、再現色が大きく外れることはないと思われるまた、下地が色紙であれば、チラシ等で、試行錯誤で製版するのではなく、計算により最大限正確に原稿を再現できるであろう。また、印刷の網点の刷り重ねによるカラ―画像再現の骨格は組み上げることができたので、ソフトをさらに精密にしていくことが可能であろう。参考文献(1)野中、黒川監修、“グラフィックアーツ”、印刷学会出版部、(2008)p.243.(2)野中 通敬:国際印刷大学校研究報告、9, 13(2009).(3)野中、沼倉、今井、石川、北澤:日本印刷学会誌、39,[ 4], 38(2002).