ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第13巻

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国際印刷大学校研究報告 第13巻

21東日本大震災の支援調査活動(1)■KINTEX(ソウル)の4~5号館でKIPES展(8) が開催されていた。会場のコマ面積の最大の出展はPrinting Culture Pavilionで、「直指」(1377年)を中心として出展があり、日本と韓国とで「印刷文化」に対する熱意に温度差がある。展示はデジタル印刷機を主体とした内容であり、4日間の会期で参加者は1日約7千名、政府の指導で印刷の他、フイルム・プラスチックスの関連のKoplas展が同時開催された。「第7報」(2-8)今後の20年;失われた20年を取り戻すために、今後20年間,即ち2030年までにGDPを増大させるための政策として、新成長戦略の7分野がすでに決定され、それらの対応が議論されて来ている。印刷産業に関連する主なものとして①環境・エネルギー、②医療介護、③文化産業、④先端技術、⑤インフラ輸出などがある。2010年インターネット産業は20兆円となり、2015年には25兆円産業にならんとしている。また、自動車に関連する輸送用機械器具製造業が2010年で53兆円、内、自動車関連は20兆円と言われている。一方、印刷・同関連産業は6.1兆円(2009年)から5.9兆円(2010年)に減少してきた。印刷産業ではソフト、サービス、電子部品、建装材など、いわゆる拡印刷から環境対応の印刷産業での方向を考え、印刷・同関連産業がインターネット産業のように20兆円産業を目指すべきであろう。最重要課題である被災地の復興を進め、電力危機などを解消する対策を最優先にし、被災地を中心に農水産業復興、再生可能エネルギー開発、省電力・省エネ推進など被災地での産業再生を基点とし、日本全体の新産業創生を早急に実施しなければならない。「第8報」(2 - 9)G7とJob Card;2012年2月8日から開催されたPAGE2012のOpen EventでG7とJobCardのテーマで報告会(9) を行なった。カラー印刷画像の標準化として、日本ではジャパンカラーが中心となっているが、アメリカではG7のCMSの認証が広く認められている。G7はIDEAlliance(International Digital Enterprise Alliance)が中心となり活動しているが、この連合体は印刷会社、印刷機材会社、出版社、広告会社、ソフト関連企業などが会員である。2007年にSWOP とGRACoLがオフセット印刷から始まり、G7ではオフセット印刷からデジタル印刷、各印刷方式へ対応してきている。(10) G7の認証は世界(アメリカ、カナダ、アジア特に中国、韓国など)では687社(2011年11月末、現在)の認証された企業があり、印刷企業以外にも機材メーカーが取得している。2011年11月18日にアメリカから訪韓していたIDEAlliance のMr.J.Fazzi氏(11) と今後の展開について討論をおこなった一方、厚生労働省が所轄しているJob Cardは東京グラフィツクサービス工業会が印刷界に導入するため2009年に地域モデル事業として「実践型人材養成システム」取り組み、3年目となる。①印刷営業、②製版、③DTP、④オフセット印刷、⑤製本の五業種のそれぞれのカリキュラムと学習結果の評価シートをまとめ、Off JT, OJTが合わせて6ヶ月間、新入社員が教育を受けられるシステムを構築して来た。この制度は新入社員、採用企業、指導者(Off JT, OJT)の3者が相互にメリットがあり、印刷界の人材育成に大変、有益である。(12) 東京地区以外、東北地区でもこの制度が受け入れられるよう検討課題でもある。更に、カリキュラムに⑥デジタル印刷、⑦マネージメントなどを追加する必要もあろう。2011年12月1日、福島市で富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ㈱のi-Visionのセミナーがあり、同社の全国巡回セミナーの最終日であったが充実していた。福島県印刷工業組合山川章理事長らの参加もあり、盛況であった。同理事長とは大震災の今後の対応について話合った。国際印刷大学校では福島民報の県内13 ヶ所の線量計データにより、2011年3月から11月までを解析しているが、福島市の平常値(0.04μSV)に戻るまでもう少し時を必要とすることがわかった。その後2012年12月までのデータを追加した。図1参照「第9報」(2-10)復興へ;福島民報社との交流を持ち,福島県下13 ヶ所の環境放射線量測定値が毎日報道されているデータを活用して,第9報ではこの線量の減衰状況を算出し,平常値に戻る,期間などを近似曲線で推定した。2011年9月に福島市で行われた「放射線と健康リスク」では線量の継続的モニタリングと評価の必要性を強調していた。また,低線量放射線の健康への有効効果(ホルミ