ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第13巻

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国際印刷大学校研究報告 第13巻

22■国際印刷大学校研究報告第13巻(2013)シス効果)の研究も継続されている。放射性物質による汚染は農林水産業に大きな被害を与えている。大震災の復興の3原則では①世代間の公平,②市場の復活,③エコシティなどへの持続可能などが挙げられている。また,印刷分野ではデジタル印刷センター(仮称)を設置し,被災印刷企業が優先的に利用可能な施設・設備が必要であろう。2011年8月26日に仙台市にある東北活性化研究センターを訪問したが,印刷産業も注目され,東北の印刷産業復興の共同事業が急務とされよう。万難を排して,一日も早い復興を祈念しています。「第10報」3、環境放射能除染印刷情報誌での放射能低減に関する発表は2012年4月号の放射能物質の除染(第12報)、5月号研究開発(第13報)、8月号デジタル化(第16報)、10月号環境改善(第18報)、11月号放射能低減(第19報)、12月号災害復興対策(第20報)で環境諸問題に関しまとめてきた。除染に関しては環境省が中心となり、各種の取り組みを行なっていて、従事者には中央労働災害防止協会のまとめた放射線防護を準拠すると同時に、厚生労働省令152号にもとずき1時間あたりの線量は0.23μSv以下を厳守することが必修である。除染活動の手始めは正確な汚染マップの作成が必要であり、各市町村の役場のデータを活用する。2012年12月24日現在の放射線量を2011年3月から時系列的に計算したデータを図1に示しているがこれは2011年3月から福島民報の協力でまとめてきた。2012年4月以降、4市町村とも0.4 ~ 0.8μSv/Hとほぼ横ばい状況にあり、平常値の0.04μSv/Hには到達していない。しかし、山林へのセシウムの蓄積により、季節風とともに分散し、市街地への再進入もありうる。環境省は福島県の面積の70%を占める森林除染を早急に進める必要がある。平野部での除染作業は当初は高圧洗浄機の利用が続けられているが、これは放射性物質を単に移動させるだけであり、地下や水路に拡散していく可能性が高い。また、チェルノブイリ事故の経験からプルシアンブルー顔料による循環装置、機能水などがあるが、前者は汚染水の浄化、後者は酪農での除染にも利用されている。チェルノブイリ地域では食品に混入し、内部汚染を除去したとの報告もある。産総研ではプルシアンブルーのナノ粒子化して、水に分散させ、分散液として利用の他、布に着色して、フイルターとしての活用もある。この開発には印刷インキを製造している大日精化工業㈱も関与していた。同社は9月24日から科学技術館で行なわれた環境放射能除染・廃棄物処理国際展で商品名「セシウムソーブ」を出展した。また、TOKYO PACK2012でも放射性セシウム吸着除去材として展示していた。また、㈱サガシキではNDアースケア(多硫化カルシウム)も重金属類の除去に効果的であり、カドミニウム、アルキル水銀、六価クロムなどを不溶化する。更にフライイングアッシュに含まれる重金属を不溶化した実績もあり、セシウム汚染水にも効果的と思われる。凸版印刷㈱が開発したゼオライト機能紙はゼオライト粉末散布よりもセシウムを除去し易い。ゼオライトはアルミノ珪酸塩の結晶構造で、空隙を有し、様々な種類があり、セシウム原子を取り込む結晶形が必要となる。適切なゼオライトは+1価の3.503.002.502.001.501.000.500.003月29日8月29日2011年12月29日4月29日8月29日2012年9月23日 12月24日 単位μSv/H3.182.602.451.861.110.850.730.43 0.40 0.360.570.760.970.820.70.520.4 0.350.520.730.79 0.810.810.490.290.930.98lidateFukushima(0.04)Koriyama(0.05)minamisouma(0.05)Fig 1. Four dose measurement data (data quotesfrom Fukushima Mimpo)