ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第13巻

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国際印刷大学校研究報告 第13巻

4■国際印刷大学校研究報告第13巻(2013)す階調値増大を使うように薦めています。ISO12647で決めている印刷物の階調値の定義は次の式です。ここでA:印刷物の階調値Do:印刷用紙の反射濃度Ds:ベタ刷りの反射濃度Dt:印刷物の反射濃度(1)式は印刷物の濃度値から網点%を求める式で大体正確ですからこの場合は階調値は網点%を表していると考えて差支えがありません。階調値の定義には三種あり、一番目が印刷物の階調値でしたが二番目の階調値は色に関するものです。階調値の増大によって色味がどのように変るかをみようとするものです。この場合はCMYKによって階調値の定義が異なります。シアンの階調値 A=100x(Xo-Xt)/(Xo-Xs)マゼンタ、墨の階調値 A=100x(Yo-Yt)/(Yo-Ys)黄の階調値 A=100x(Zo-Zt)/(Zo-Zs)ここでXo,Yo,Zo:印刷用紙の刺激値Xt、Yt、Zt:中間調の刺激値Xs,Ys、Zs:ベタの刺激値 三番目の階調値はデータファイルへの入力値に相当するもので次の式で定義されています。     A=100x(Vp-Vo)/(V100-Vo)ここでVp:画素の光量 Vo:階調値0のときの光量 V100:階調値100のときの光量この階調値は8ビットのデジタル信号に変換されます。4 要求事項では製版から印刷までの工程管理に影響する基本的要因について説明しています。要求事項は三つの節に分かれ4.1では一般、4.2 データファイルと印刷版、4.3 校正印刷、本刷り印刷の印刷物について説明しています。4.2 データファイルと印刷版は八つの項目に分かれています。一項目ではデータ転送に使用するデータファイルはPDF/Xファイルと決めています。二項目の印刷版の品質では再現階調数を多くするためにはイメージセッタやプレートセッタの解像性によって決めるべきとしています。三項目もスクリーン線数では1cm間にある網点の数と定義しています。従来はインチが使用されていましたがメートル法に統一しました。印刷方式によって使用する線数が異なりますが各印刷方式の部で説明しています。FMスクリーンでは線数に相当するものがないのでそれに代るものとしてスクリーンドットのサイズで規定し、最小のドットの大きさをμmで表すことにしています。五項目ではモアレを最小にするためのスクリーン角度を規定しています。スクリーン角度も印刷方式によって、特にスクリーン印刷では紗の関係もあって角度の決め方が異なります。六項目の網点の形と階調の関係では網点同士の結合による二度の濃度ジャンプを分けて行うために規定しています。例えば新聞印刷でファクシミリ電送する際は円形の網点を使用することをきめています。七項目の色版階調値の和はインキトラッピングの問題でCMYKを100%の階調値で刷ることは不可能で四版のインキの総和が何%であるかを規定しています。この値も印刷方式によって異なり、新聞印刷では階調値の和は240%位で260%を越えないとしています。スクリーン印刷では階調値の和は制限が無く300%から400%のA=100× 1-10 ………(1) -(Dt-Do)1-10-(Ds-Do)