ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第13巻

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概要

国際印刷大学校研究報告 第13巻

6■国際印刷大学校研究報告第13巻(2013)1.緒言印刷での数値計算によるカラ―マネージメントの概略については、すでに国際印刷大学校研究報告第9巻で発表した。前半の入稿したカラー画像R, G, Bのデジタルデータをパソコンの画面で、標準の紙、インキ、印刷機での出力を仮定しながら修正し、完成したカラー画像として、通常の方法でC, M, Y, Kに変換する。この変換には、オプティカルドットゲインもメカニカルドットゲインも考慮されているので、完成されたカラー画像のC, M, Y, Kデータさえあれば、上記の作業に仮定している特性値を用いて、そのC, M, Y, Kで再現しているR, G, Bの反射率を計算により算出できる。その事を第9巻では記述した。後半の、カラーマネージメントは、紙、インキ、印刷機が変わっても、上記のR, G, Bの反射率を再現できるC, M, Y, Kの値を計算により求める方法があれば可能となる。この論文では、それらの事を詳しく記述することとする。2.使用する特性値の算出法特性値算出の為のカラ―パッチを印刷する。カラ―パッチはC, M, Y, K各色について0%(印刷用紙), 5%, 10%, 20%, 30%, 40%, 50%, 60%, 70%, 80%, 90%, 95%, 100%(ベタ)を作成し、印刷機で印刷した試料を各パッチについて、濃度計でR, G, Bフィルタ濃度を測定する。それらの値を用いて表計算ソフトで必要な特性値を算出する。まず、Rフィルター濃度について説明する。計算は紙濃度と紙の濃度を0とした濃度について行うので、5%以上の網点パッチのRフィルター濃度に対しては紙のRフィルター濃度を引くことになる。それらの濃度Dは、反射率Rに次式で変換する。R=10?Dオプティカルドットゲインは網点%表示と反射率表示の二つの表示法がある。ここでは反射率表示法を使うことにする。網点面積率は100%を1とし30%を0.30とする表示を用いる。網点面積率を?とすると、オプティカルドットゲインのない場合の反射率はR=1??+?RSとなり実測値をR?とするとオプティカルドットゲインは(1??+?RS)?R?となる。この値を、網点面積率?を横軸にとり、グラフ化すると山形のグラフとなる。したがって、二次方程式k?(1??)で近似してやればよい。最小二乗法で係数kを求めてやれば二次方程式でオプティカルドットゲインを近似出来ることになる。網点の刷り重なった印刷物のオプティカルドットゲインは、例えばRフィルター濃度に関してはシアンインキの網点面積率が墨インキの網点が加わった分大きくなったと見なし、その大きさのシアンインキの網点面積率のオプティカルドットゲイン量を使用することとする。式で表すと、シアンの網点面積率をc、墨の網点面積率をkとすると、その面積率はc+k?c k となり、それをあらためてcとし、FRc(1?c)で表す。網点の重なった印刷物をRフィルターを通して見た場合、シアン網点と墨網点が同様に黒く見え、R光を吸収しているためである。3.RGBからCMYKへの変換計算はすべてCMYKの網点の刷り重なった画素ごとに行うことになる。前半で求めたRGB反射野 中 通 敬CMSの数値計算による新手法New method of numerical calculation for CMSMichitaka NONAKA