ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第14巻

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国際印刷大学校研究報告 第14巻

9ネット時代のプライバシィをどう考えるか■る事を決定するのはソフトウェアである。 喫煙者に対する罰則の例はコンピュータの場合のヒントになる。8.どう行動したらよいのか判らない時、将来をどう設計するか プライバシィを侵さずにビッグデータから価値を得る方法として基本的に二つの方法がある。一つは新しい規則を作る。そしてもう一つは社会全体の情報を透明にし、誰でも全てのデータにアクセス出来るようにすることで、その場合誰も不当な利益を得られなくなる。この二つの考えはなかなかうまくいかない。 プライバシィ保護を法制化する問題点はその法は守られにくいことである。ビッグデータの解析は中毒のようなもので、プライバシィの法制化は薬物禁止法、アルコール禁止法と同じである。NSAの定期的漏洩にはがっかりするが、組織の法律や秘密規定が有効でなかったことを示している。新しい規定はある程度の効果をもたらすだろうけれど。 もう一つの考え方、データの公開性は一般化するだろうか?公開性の問題点は必要とするデータになかなかアクセス出来ないことである。この場合、データ解析に必要なコンピュータがポイントになる。効率良いコンピュータを持つ人は常にいるがその関係者は一般人の味方ではないだろう。抽象的な意味での公開性は問題を複雑にするだけである。何故なら最大規模のコンピュータ入手の競争がたかまるからである。 公開性を論理的に考えてみよう。NSAが国内のサーバーにパスワードを公表したとすると誰でもがデータを一覧できるが、グーグルなどはただちにNSAの大量データをかき集め、索引を作り解析し、世界状況を明らかにして解析データを提供して利益を得ようとするだろう。ビッグデータは効率的なコンピュータがあって力を持つものである。 それでは第三の方法はあるのだろうか?情報を有料化する考えがあるが、この考えにも一長一短がある。ビッグデータ時代のプライバシィの問題の解決法は見つかっていない。 我々はビッグデータとその装置を作ったがその結果、複雑な社会を作った。そのため何かを為さねばならない。ビッグデータが世界を健康的に、効率的にする源にしなければならない。そのためにビッグデータを正しく利用する方法がまだ出来ていないことを認識しなければならない。参考文献How Should We Think about Privacy?Making sense of one of the thorniest issues of the digital age By Jaron LanierFacebook and its competitors promote openness and transparency to their users but hide predictivemodels of those users in deep, dark basements.A stupendous amount of information about our private lives is being stored, analyzed and acted on inadvance of a demonstrated valid use for it.The nature of privacy in our digital networks is not yet fully locked in. We still have the potential tochoose what we want.(原文の一部抜粋)