ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第14巻

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国際印刷大学校研究報告 第14巻

12■国際印刷大学校研究報告第14巻(2014) 現在のデジタルデータによるカラ―画像原稿から印刷でカラ―画像を再現するには、カメラのセンサーの感度がばらばらであるため、一度ディスプレー画面に出して、その会社の標準の紙への特定の印刷条件でのカラ―画像再現を予測し、そうなるように網点に変換しており、必ず画像を作る工程がある。そのベタ濃度やドットゲイン補正を使えば、C, M, Y, Bkの網点の組みから元のR, G, Bを逆算できる。このR, G, Bの反射率を任意の紙の任意の印刷条件で、単色のカラ―パッチからのベタ濃度測定とドットゲイン補正係数の算出さえ行えば、計算でR, G, Bの反射率を再現するC, M, Y, Bkの網点面積比の組みを算出できる。この事はカラ―マネージメントが計算で比較的厳密に可能であることを示している。 ICCプロファイルでは、ある特定の条件のもとでの、例えばディスプレーと印刷物との色の一対一対応を膨大なパッチの測定値を使って取っており、L*a*b*表色系等がつかわれているが、これらは特定の紙やインキや印刷条件下で特定の証明条件での見えを表している。したがってそれらの条件が変わればそのたびに膨大なデータを取りなおさなければならない。R, G, Bの反射率でのカラー画像再現は、照明光がどのように変わってもその照明下では、同じに見える画像再現が可能であり、必要なデータもごくわずかで済む。 上記の事に興味を持たれるようでしたら、2014年春に出版予定、印刷学会出版部発行の「グラフィックアーツ」増補改訂版、付録2を参照されたい。 ここに最も基本となるMurray-Davies式を付記することとする。付記:Murray-Davies(マレー・デービス)式 Murray-Davies式は単色画像の光濃度と網点面積率の関係を表しており、Rフィルター光に対する光濃度をDRとすると、と表される。 上式を光反射率形式で表現すると、 ここに、RSC=10-DSCRで表される。 この式は、図に示したように、網点面積率cの印刷物のRフィルター光反射率は、C網点の面積率cに、そのベタのRフィルター光反射率を乗じたものに、白紙部の面積率1-cに、白紙部のRフィルター光反射率1を乗じたものを足し合わせることにより導かれる。ここで率といっているのは、100%を1とする比率のことである。しかし、その式で計算した光濃度と実際の印刷物の濃度は主としてオプティカルドットゲイン効果の故に一致しない。それ故に、Yule-Nielsenはドットゲインの効果を表す係数nを導入した。(付録2抜粋)DR=log10 +DPR=log10 +DPR1R11 - c+cRSCR = RP (1-c+cRSC)=RP (1-c+c10-DSCR)C : 網点面積率 Cベタ : 光反射率RSC 白紙 : 光反射率1白縁部1-CR=(1-c)+cRSC=1-c+cRSCC網点面積率Cの印刷物のRフィルター光反射率R