ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第14巻
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国際印刷大学校研究報告 第14巻
19中国歴史年表を翻りながら印刷の歴史を考える(2)■松 根 格(五)◯書物の誕生 書物(本)はいつ頃誕生したか。その起源を考えると、これは人類が体験したことを後世に伝達していくことを目的として作られたはずである。この伝達に一番必要なものは何か。それは文字であった。書物の誕生を書く前に文字はいつ出来たかを考えてみたい。中国の歴史年表によると文字はBC2800年~ 3000年に出来たとある。次のように記載されている。◯伝説史官蒼頡造文字 中国において文字(漢字)はいつ、どこで、どのようにして出来たかは現在もはっきりとは分かっていない。しかし伝説によると黄帝の時代に史官であった蒼頡によって作られたとある。 中国の古書「三才図会」に描かれた肖像画によれば、その顔に目が4つあることからこれが想像上の人物であることがわかる。 今日でも蒼頡が文字を作ったと伝えられていることを振出しにして、文字の誕生がBC2800年頃であったと言うのが通説である。しかし新石器時代BC7000-6000年に甲、骨、陶、石に符号のような形の文字らしいものが多く出土していることから推測して、すでにこの時代から文字のようなものが存在したのは確実である。 中国考古学の情報によれば寧夏回族自治区にある西北第二民族学院は自治区内の中衛にある岩壁で中国最古の文字を発見したと発表、それを公開した。文字は中国で最古といわれる甲骨文字よりも更に数千年も古い可能性があるという。 これは狩猟や祭儀、月や太陽など図形等8400字が発見されたが、その内1500字が古文字であり、大多数は判読不能だという。専門家の意見は18000年~10000年前に書かれたものであるという。以上の発表があった。5000年の歴史を持つ中国のこと、まだまだこれから新しい発見が続く可能性があるだろう。 これ等の文字は一般に象形文字と呼ばれる。殷の時代(BC1250-BC1100年)には広く知られた甲骨文字が使われていた。これは20世紀のはじめ殷墟から多量の甲骨片が発見されてそれ等の解読からこの文字が広く流布していたことがわかる。 このことから文字発生の流れとしては図形から象中国歴史年表を翻りながら印刷の歴史を考える(2)Ascertain the history of printingover the chronology of Chinese History. (2)Itaru MATSUNE蒼頡像(三才図会)