ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第16巻

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国際印刷大学校研究報告 第16巻

印刷産業に於ける個人情報保護の重要性■著者は2007年(平成19年)2月1日から東京グラフィックサービス工業会の個人情報保護委員会及びPマーク審査会に参加し、同年6月25日からは日本グラフィックサービス工業会(JaGra)へ、2016年(平成28年)3月15日まで、約10年間、同委員会で学識経験者として各種審議に参画している。3.印刷産業での対応2015年9月に工業統計速報が発表され、2005年から2014年までの出荷額などを調査した。製造業の事業者数、従業者数は減少したが、製造品出荷額は過去3年間増加し、印刷業はいずれも減少傾向にあり、製造業に対する比率も減少した。これに対して、電子書籍の市場規模や3D Printerは拡大傾向にある。製造業中、印刷業はPマークの取得企業が最も多く出版・印刷・同関連産業で1210社と最多となった。2015年11月現在、JIPDECからPマークの付与企業はJaGraからの審査で200社、日本印刷産業連合会からは440社を認定しているが、その他、約570社は各地方ブロックの認証団体から付与されている。このPマークなどの取得に対する補助金制度は都道府県・市町村により異なるが秋田県が積極的であり、義務教育でも少人数教育に対応している。2015年9月、東京グラフィックサービス工業会ではPマーク、ISMSの取得に対する助成や更に、Pマーク付与事業者に限定して入札参加などを東京都に要望した。印刷・同関連業の出荷額や事業者数が減少していく中、市場戦略を立て直し、イノベーションによる稼ぐ力の強化が求められる。富士精版印刷㈱はすでにPマークを取得していて、2015年11月に出版した「品質管理365日No.6」は印刷事故ゼロ、環境対応、利益率向上などを目指している。日本では2020年でGDP 600兆円の大きな目標であるが、それに向け印刷産業も新商品開発などで努力が必要である。一方、2015年10月5日、マイナンバー法が施行され、写真1韓国ソウル市江南市役所での電子政府行政を一元化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正調査(2010年4月21日)な社会を実現する社会基盤となり、行政の効率化などが期待される。2016年2月5日のpage2016でのセミナーでは印刷産業界での改正個人情報保護法とマイナンバー制度の関係から全国の印刷及び関連企業を対象とした。韓国での住民登録制度は世界に先駆け、1968年から始まり、国連の電子政府ランク1位にあり、ソウル市の江南市役所を中心にしてヒアリングなどを行って来た(写真1)。この豊富な実績を参考として、日本でのマイナンバー制度が成功することを祈っている。日本印刷産業連合会では「マイナンバー取扱ハンドブック(CD付)」を2015年11月に刊行した。印刷業は個人情報の処理などの取り扱いが多く、個人情報保護が第1の使命であり、印刷イノベーションによる市場戦略構築、能力ある人材の確保と養成、補助制度活用による企業の活性化、産学連携による新技術・新商品の創出、事業継続計画(BCP)、SIB(Social Impact Bond)などが最重要課題になるであろう。イギリスのバーミンガム市で行われたIPEX2010に参加した際、コベントリー大学でNVQ(日本のJob Card「現在、厚生労働省が実施」の原点)をオフセット印刷の検定で確認し、更にマンチェスター市で若年者のDTP訓練などでの就労支援の研究会に参加し、印刷技術訓練の国家的対応がみられた。4.まとめ2016年2月5日、page2016 Open Eventで国際印刷大学校主催の「印刷産業に於ける改正個人情報保護法とマイナンバー制度」に関するセミナーを開催した。全国から多数の印刷人の参加があり、11