ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第16巻
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国際印刷大学校研究報告 第16巻
印刷教育研究半世紀の歩み■巻頭言印刷教育研究半世紀の歩み木下堯博History of the Graphic Arts Education & Research in Half a Centuryいしずえかぎ教育は日本復興の礎であり、印刷教育は印刷産業発展の鍵となる。Akihiro KINOSHITA1965年6月、印刷教育の改革のために「全国高校印刷科教育研究会」が発足し、50年目を迎えた。その設立動機はドイツ留学の経験をふまえ、当時、高校印刷科で使用する統一的教科書がなく、東京、名古屋、大阪、博多の印刷科の代表が団結して、文部省に対して、国定教科書と印刷科の施設・設備の高レベル基準を求めて、交渉をしたのが第一歩であった。その後、教科書は「印刷一般」として4校の代表が編集し、印刷学会出版部から刊行され、更に施設・設備基準も増額された。このため全国の高校印刷科(後に那覇の印刷科も加入)の教育内容が充実し、名古屋市立工芸高校印刷科(グラフィックアーツ科)の卒業生が世界技能オリンピックの印刷部門で金メダル獲得などの成果を上げて来た。1985年9月、大学・短大・高専・高校・職業訓練校の各印刷科が教育研究するため全国レベルでの「印刷教育研究会」が設立され、初代会長として日本印刷産業連合会との協力により、印刷産業活性化のため、教育界と産業界とが協力してきた。更には欧米、中韓、モスクワ印刷大学を中心とした東欧圏の印刷教育研究会及び、drupa展では印刷メディア系大学院(20ヶ国)のカリキュラム研究会などを継続している。しかし、近年、日本の大学、高校の「印刷」学科の名称が「画像」「グラフィツクアーツ」などに変更され、印刷本来の教育研究から乖離し、同時に印刷産業の出荷額も電子化などにより減少している。それに対し、IoTなどの第4次産業革命の進展により、産業構造(全産業のビジネス)が大きく変革する可能性があり、経済効果は大きく、世界のICTサービスは年3.8%の成長が見込まれ、産業の垣根を越えた大変革が不可避の時代となった。今後の50年を目指して、印刷産業界の一層の発展のため印刷メディアとITとの融合、即ち、ビックデータ、AI、IoT、3Dプリンター、クラウド、ロボット及びエネルギー・環境対応などを含うつわめた新しい器作りが必要であり、現在、文部科学省中央教育審議会の特別部会で審議中の「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化」に期待するところが大きい。2015年7月1日に「第2回印刷メディア教育研究会」がニッケイ会館で開催され、有識者9名から163頁に及ぶ資料が公開され、印刷教育研究の将来について議論された(1)。国際印刷大学校では「新しい印刷メディア系専門職業大学(仮称)の創設」(2)を事業目標として印刷及び関連産業界に貢献していく所存です。皆様方のご協力の程をお願申し上げます。(2015年10月21日記)*(1)24頁参照(2)詳細は日本印刷新聞社発行の「印刷界」2015年6,7月号や印刷教育研究会会報118,119,120号(2015年)、印刷教育研究No.30(2015),富士精版印刷㈱社内報「富士」168号(2015年7月)、及び国際印刷大学校のHPを参照。1