ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第18巻|富士精版印刷株式会社 FUJI SEIHAN PRINTING Co.,Ltd.

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概要

国際印刷大学校研究報告 第18巻

1印刷産業の発展■印刷産業の発展The Development of Printing IndustryAkihiro KINOSHITA木 下 堯 博全人類が直面している諸問題(環境、エネルギー、食糧、医療、教育、セキュリティ、水資源など)を革新的な技術を用いて積極的に取り組むことを目的として、2008年に、シンギュラリティ大学(SU)がシリコンバレーを拠点として設立され、世界各都市にネットワークがある。このSUは国際印刷大学校(2000年設立)と同様に独自の校舎もなく、学位の授与もない。昨年、設立10周年を迎えた。このSUでは基本的に明るい未来を想定したプログラムを構築し、進歩発展していく技術と世界の英知を結集させ、各地の様々な課題や諸問題を解決し、豊かな未来の構築がこの大学の目的である。世界各国にて幾何学的に進化するAI、ビックデータ及びロボット技術などにより、直面している課題を解決することより、爆発的な経済成長がもたらされる可能性がある。SUの参加者は米国以外には欧州や中南米が多く、アジアは少なく、日本からは個人や団体からの選抜されたメンバーが参加している。世界を変える未来志向の人材の厚みがこのシンギュラリティ大学(SU)の革新性を支えていよう。日本ではSociety5.0を内閣府が中心として運用されている。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く新たな経済社会でサイバー空間とフィジカル空間の融合により、経済的発展と社会的課題の解決を両立させ、人々が快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることの出来る人間中心の社会を目指している。2017年11月24日、自由民主党政務調査会でまとめた「生産性改革推進戦略」ではSociety5.0の基盤整備、研究開発投資、大学改革、若手研究者の活躍促進などを進展させる。AI,IoT,ビッグデータ等を活用し、経済・社会のあらゆる分野の構造改革を引き起こし、地域・暮らし・現場の課題を革新的技術で解決するとともに潜在成長力を高め、2020年でのGDP600兆円を目指している。一方、印刷産業はGDPと人口の増大とともに、成長してきたが、工業統計から印刷・同関連業の出荷額は1991年の8兆9千億円が2015年には5兆3千億円に減少し、事業所数、従業者数も減少している。又、日本の人口も2017年1億2,653万人から2065年には8,807万人(中位推定)に減少し、15歳から64歳までの労働人口も7,578万人から4,529万人への減少が予想されている。この50年間を近似方程式で算出すると総人口の減少と労働人口の減少の割合はほぼ同一直線上でその減少率勾配は労働人口勾配が総人口よりもやや高い。これは寿命の延び(100歳時代の到来)が大きな要因とも考えられる。印刷産業のV字回復には産学官の共同研究体制からシンギュラリティ大学(SU)の活用、Society5.0への参加及び未来投資を促進し、多様性のある印刷産業を目指すことが必要不可欠であろう。巻頭言