ブックタイトル品質管理365日・第6集--短納期・低コスト・デジタル時代の印刷トラブル対策事例集::富士精版印刷株式会社

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品質管理365日・第6集--短納期・低コスト・デジタル時代の印刷トラブル対策事例集::富士精版印刷株式会社

■RIPについてプリプレスのトラブル事例この事故が起きた当時は、RIPのバージョンが、従来のCPSIから最新のAPPEへの移行期に当たっていた。従来版のCPSI(Configurable PostScript Interpreter:設定可能なPostScript翻訳システム)は、Adobe社が1984年に発表したページ記述言語であるPostScriptを前提にしていた。しかしAdobe社は、1996年に発表したPostScript 3を最後に、PostScriptの開発を中止。PDF(Portable Document Format)の開発・普及に舵を切った。PostScriptには、OS・アプリケーション・搭載フォントなどの環境によって出力結果が左右される欠点があった。出力環境に左右されず、「どポータブルドキュメントフォーマットこでも使える文書形式」であるPDFへの移行は、時代の要請でもあった。しかしグラフィック処理が高度化する中で、新たな問題も発生した。2000年に発表されたIllustrator9.0の新機能である透明効果のように、従来のPostScript形式ではサポートしていない画像処理技術も登場した。Adobe社が2006年にAPPE(Adobe PDF Print Engine;Adobe PDF出力エンジン)を発表するまでは、CPSIに対応した製版用のPDF規格「PDF/X-1a」に適応させる形で、各社が個別に対応していた。しかし2010年前後から、APPEも実用レベルになり、本格的に移行を始めた会社も出てきた。本件も含め、印刷会社・製版会社間でのRIPのバージョン違いによる事故が発生している。現在ではこの問題は解決しているが、CPSIもまだなくなったわけではない。最新技術の登場や、アプリケーションのバージョン移行期には、トラブルがつきものだ。たえず最新情報に注意を払い、事故発生のリスクを軽減していきたい。Total Quality Control 365days 043