ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第19巻

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国際印刷大学校研究報告 第19巻

15「印刷による表現」への挑戦 ②■「作家」と「印刷現場」が「オフセット版画」に挑戦複製技術の高度化に伴い「美術印刷」の品質は、益々充実して来ている。一方でデジタル簡易印刷が、一般化して来ている。絵画作家の制作手法も大きく変化した。肉筆原画を基にデジタル環境を活用して、「着色」「グラデーション」「テクスチュア」等を追筆し作品を完成させる。しかしあくまでも基データの完成で有って、作品の実態化にはならない。作品実態化を種々試みているが、殆ど満足いかないのが現状である。印刷環境が変化する中、印刷企業を経営・管理する責任者にとって、「今後の印刷業の在り方」を懸命に模索し、高品質・高技術の保持・拡張を目的に種々試行している。その一つに「PD(プリンティング・ディレクター)の養成」が有った。「呱呱(ここ)プロジェクト」は、この様な状況の中で発足した。 (※呱呱プロジェクトにつては、前18巻にて既述)●今回の「呱呱プロジェクト」の構成メンバーと、役割(期間;2018年1月~11月)㈱アート印刷工芸社 営業 課長;プロジェクトリーダー、印刷表現設計営業 担当:プロジェクト事務局、広報、印刷表現設計工 場 長:印刷表現設計、印刷、加工・仕上げ製 版 長:印刷表現設計、製版、データ管理社   長;PD(プリンティング・ディレクター)藤原 ヨウコウ   原画 作家森下 舒弘     企画 推進、進行 管理●今回の目的・目標〇 2011年にスタートしたこのプロジェクトは、初期(1~4回)には、水彩画家、デジタル版画家、写真家等作家と種々の作品に取り組んできた。先ずは作家の意図を解釈し、感性を持って作品と対話する事からスタート。そして印刷設計の基本的な要素を確認した。〇前回(5回;2017)は、これまでの経験・実績を踏まえ、「オフセット版画」の実現に成功。〇今回は、作家の意図を解釈し、より積極的に表現領域を拡げることを目標とする。●今回の進行(進め方)〇 プロジェクト会議定期開催:2018・01・20スタート。定期的な会議を開催し、推進実感を共有化することがする事が重要である。そのために、土曜の出勤日に開催。メンバーの全員参加を可能にした。また、事務局は議事録を作成し情報の共有化を実現する。〇 作家とのミーティング:作家の意図(想い)を感じることが重要である。作家は、前回と同じく藤原氏であるが、原画は「龍」をモチーフにして「墨」で描かれている。制作背景や制作意図、着色イメージを感じ取るために、同じ「龍」をモチーフにした「試作品」や、「彩色作品」を幾つも用意し、言葉や文字で伝えるのでは無く、感じ取る環境を用意した。〇 PD(社長)とのミーティング;私は企画進行責任者として、プロジェクト会議とは別に、作家の価値観・創作意欲などと共に、「龍」に関する基本情報・資料を共有化する。森下舒弘「印刷による表現」への挑戦 ②Experiment of 「Print Expression」②Nobuhiro MORISHITA