ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第20巻

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国際印刷大学校研究報告 第20巻

18■国際印刷大学校研究報告第20巻(2020)表5 日本の印刷出荷額(兆円)2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 20187011 7142 6904 6321 6176 5709 5617 5545 5536 5458 5275 5107 502013 年間で成長がプラスになったのは一回だけである。米国は13 年間で成長がマイナスになったのは二回だけで日本と正反対である。米国経済が日本経済より成長率が大きいということだけがその理由にならない。米国の印刷の伸び率は米国GDP の伸び率より低く、GDP の伸び率が低くなるとその差が開く傾向にある。2 米国の印刷が伸びている理由PIA(Printing Industries of America)の考えによると米国の印刷が健闘している理由を六つ挙げている。1 米国経済の回復場面で最大の利益が見込める市場を見つけた。2 デジタルメディアに取って代わられた市場が戻りつつある。3  ラベル、包装紙、包装印刷は印刷出荷の大きな比重を占めつつある。この種の印刷は米国経済の動きと密接に関連するからである。4  近年、印刷によるマーケティング、販売促進、特にダイレクトメールはプレミアムマーケティング、販促メディアとして効果が認められている。5 デジタルメディアによって特に打撃を受けた新聞、書籍、雑誌印刷でも比較的好調である。6 印刷企業が従来のビジネスモデルを変え、新しいビジネスモデルを考え始めた。理由1 と理由6 は具体的な市場を示していないが新しい印刷市場を開拓したということだろう。どのように印刷市場が変化したかを過去の市場と現在の市場を比較することによって検討したい。3 20世紀末の印刷市場と将来予測PIA は1990 年代末に21 世紀展望という冊子を発行した。(3)その一節に印刷市場という節があり、印刷市場を七つに分類している。1 商業印刷とクイック印刷2 ダイレクトマーケティング印刷3 カタログと名鑑4 雑誌と定期刊行物5 ビジネスフォーム6 書籍7 包装、ラベル、包装紙ここで云う商業印刷とは統計上の印刷からダイレクトマーケティング印刷、カタログ印刷、ビジネスフォーム、包装印刷などを抜いたものを意味する。統計上の印刷の領域が広いので、市場の大きい領域ダイレクトマーケティング印刷、カタログ印刷などを分離したものである。商業印刷は印刷市場の中で最も大きな市場で米国の各州、各都市にあり企業数は当時35,000 社、従業員60 万人であった。80%以上の企業は従業員20 人以下の小企業であった。七つの印刷市場の出荷額(1997 年)と将来の伸び率を予測しているが、表6 にまとめる。年1050-5-102006 10 15 18伸 び 率(%)図2 日本印刷出荷額伸び率