ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第20巻

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概要

国際印刷大学校研究報告 第20巻

21「印刷による表現」への挑戦 ③ (まとめ)■「印刷による表現」への挑戦 ③ (まとめ)Experiment of「 Print Expression」③Nobuhiro MORISHITA●はじめにこのプロジェクトは、2011 年にスタートし2018 年に終了した。8 年間を経て、4 人の作家と6点の作品を作り上げた。第1 次段階を終え、2019 年度は、今後を見据え総括する事になる。今回の報告は、初回(第1 次プロジェクト)の取り組み内容を中心にまとめている。●取り組んだ背景〇作家の制作手法の変化:肉筆中心から、肉筆原画を基にデジタル環境を活用して完成させる事が通常になってきた。しかし、作品として実態化させる環境は未熟で、満足できる事はほとんど無い。〇印刷製作の現状美術印刷は、複製技術の高度化に伴い、ますます品質向上している。しかし、印刷技術が「表現手法」に繋がる発想は殆ど無い。特に中小印刷業に於いては、与えられた原稿の再現であり「表現」とは無関係。また、企業責任者(経営者)にとっては、後継者育成とPD(プリンティング・ディレクター)育成が大きな課題でもあった。〇企画進行の立場からヴァルター・ベンヤミンの著作『複製技術時代の芸術(1936 年)』に挑戦。「映画」「写真」が対象となっているが、“なぜ、「印刷」は対象にならなかったのか?”●挑戦テーマ;印刷による表現(印刷技術による作品化)への試み●テーマ開発のためのプロジェクト・チームを結成〇プロジェクト名は、「呱こ呱こ プロジェクト」※「呱呱とは・・・生まれて初めての「産声」の意味。         参加メンバー全員にとって、「初めての試み」であり、          最初に挑戦した、「作品名」でもある。〇プロジェクトのメンバー構成アート印刷工芸社:(毎回次、社内各部署から参加:5 ~ 8 名)         営業部門、製版部門、印刷部門、社長作 家(参加回次):挿絵画家(1、5、6 次)、水彩画家(2 次)、写真家(3 次)         イラストレーター(自称:デジタル版画家)(4 次)私(森下)は、企画・進行管理担当として参加●プロジェクト進行過程〇プロジェクト実施準備 <作家には> ・作家交渉、選定                   ・作品依頼(新作進行又は、作品選択)                   ・プロジェクト会議への参加依頼            <社内では> ・社内プロジェクトメンバー選定森下舒弘