ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第20巻

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概要

国際印刷大学校研究報告 第20巻

22■国際印刷大学校研究報告第20巻(2020)〇プロジェクト会議(1 回目): ・作家紹介、メンバー紹介               ・作品意図説明(作家の想いを語る)               ・進行概要(日程)を設定〇社内メンバーはチームを組み、印刷設計(1 ~ 4 次) 各メンバーが、独自(個々)の印刷設計を創作進行(5、6 次)〇プロジェクト会議(2 回目)  ・チームの印刷設計案を紹介・検討(1 ~ 4 次)               ・個々の印刷設計案を紹介・説明(5、6 次)               ・印刷設計案の進行を確認〇全ての印刷設計案を校正刷り(縮小サイズ)で制作進行〇プロジェクト会議(3 回目)  ・印刷設計案(縮小サイズ・校正刷り)を検討               ・作品化候補案(2 ~ 3 案)選択〇完成サイズで校正刷り〇プロジェクト会議(4 回目)  ・最終完成版決定〇最終完成版 制作〇プロジェクト会議(5 回目)  ・完成確認●「第1次・呱呱プロジェクト」からチームメンバー(社長を除いて)にとって、「作家」と打ち合わせする事は初めてだった。雰囲気を和やかにする事が進行担当の私の役割だった。その時、フジワラ氏がこう語ってくれた。『・・・浮世絵版画の世界では「右から左へ」という事はあり得ない。必ず、彫師、刷師が介入する。いい例が北斎の浮世絵版画であろう。北斎の肉筆画は独特のけばけばしさと下品さ・粗野さがある。だが、彫師、刷師が介入する事によってあの洗練された美しい線が生まれるのだ。なぜこんな事が許されたのか?答えは簡単である。彼らの、北斎の版下絵に対する、深い理解とより良い上がりを考えるからである。また、それを北斎が認めていたという事である。浮世絵版画は、チーム作業で、互いのコミュニケーションを通じて、より優れた印刷物を生み出そうとした。その土壌が、浮世絵版画と言う世界に類を見ない印刷物を日本から生み出した・・・・・』と。作家のこの言葉がプロジェクトを推進させた。         ●「第1次・呱呱プロジェクト」を終えて (プロジェクト・リーダー:木村 泰清 社長)・・・・・ふと立ち止まって、印刷から出来る事とは何だろう。良質の印刷とはどのようなものなのかを考えると、一つの方向がみえてきました。“それは素材を解釈すること” 解釈することにより、的確な印刷役割と制作意図を味付ける。そんな印刷物が作れないか。見る人によって感じ方が変わっても良い。見えるものが違ってもよい。元データに材料やインキ、印刷手法、版の作り手の想い、印刷の刷り手の考えをまとめて味付けをしてゆく、そしてデジタルから味わいのある実態作品へ、これが今回のプロジェクトの答えです。・・・「呱呱」・・・。(㈱アート印刷工芸社「広報誌」より)●資料提供・取材協力 / フジワラヨウコウ(画家)、木村泰清(アート印刷工芸社:社長)オフセット版画「呱呱」(サイズ菊全)